第九席 プロ野球

 プロ野球にいちゃもんをつける。
 日本のプロ野球は果たしてどのくらい強いのだろうか?

 WBCで2回続けて優勝をしたが、韓国には五分の戦い。少し前までは韓国のプロ野球はかなりレベルが低いと言われていた。現に、日本で通用しなくなった選手があちらに行って活躍をした、なんという話がたくさんあった。
 それなのに近ごろでは、永遠のライバルみたいに言われている。日本はWBCで優勝をしたということは世界一のはずなにの、いつのまにか韓国と同レベルになっている。おかしな話だ!

 だいたいWBCに参加する日本人大リーガーの言い分が意味不明。日本のプロ野球が世界一だということを証明するために戦うなんて言っていたが、日本が世界一だと思っているのならば、アメリカなんぞに行くことはないじゃないか。

 そもそも大リーグもなんだかわからん。ワールドシリーズとは大袈裟(おおげさ)な。アメリカで一番を決めるシリーズをワールドシリーズとは、他の国をなめているよ。日本シリーズをアジアシリーズと言っているようなもんだ。

 日本のプロ野球の真のレベルを計るために、日本シリーズで優勝したチームが次の年、1年間大リーグに参加すればよろしい。そして大リーグで一番弱いチームが日本リーグに参加する。日本で一番弱いチームは、韓国リーグに、韓国で一番のチームが日本リーグに参加......面倒くさいからアメリカも韓国も日本も台湾も全部一緒に戦っちゃいなさい。

 プロ野球中継の解説の酷(ひど)さはあらゆる御仁が言っているから私が今さら言うこともないのだが、平然と当たり前のことを言う人、いるよね。
 アナウンサーが「この回は巨人はどういう攻撃をしてきますかね」なんて聞かれると、「そうですね、1点を取りにいくでしょうね」、当たり前だ!
 「守る阪神はどうでしょうか?」「1点もやりたくないでしょう」......馬鹿か。

 「野球は筋書きのないドラマだから面白い」という不用意な言葉も気に入らない。ドラマとは筋書きがあるから面白いんだ。脚本家を馬鹿にしているのか! 筋書きのないドラマが面白いのならば、脚本家はみな廃業です。

 「9回の裏2アウト、点差は8点。しかし野球は何が起こるかわかりませんからね」って、分かるよ、野球に起こるのは、点が入るかどうかだけ。クルーンが投げたら、急に北朝鮮から横田めぐみさんが帰ってきたというのならば、何が起こるかわからないと言ってよい。メチャクチャな論理です。

 プロ野球ではないが、甲子園でよくお見かけする一塁へのヘッドスライディング、あれは女々しい。誰がどうやっても間に合わないと分かっているのに、頭から一塁に突っ込んでいく。あれは、そのぐらい一塁に行きたかったという選手の気持ちの現れだ。 普通にやればヘッドスライディングより駆け抜けた方が絶対に早い。ヘッドスライディングの方が早いことになれば、100メートル走なんか全員、選手はゴールでヘッドスライディングをすればよろしい。

 デッドボールが故意かどうかという問題。私はかなりの数が故意だとにらんでいる。
 だって、あの硬い球をぶつけたんだよ。140キロぐらいのスピードで硬球がぶつかる衝撃は並大抵のものではなかろう。これが頭だったらぶつけた方はどんな気持になる? ましてや相手は同業者だ。知らない顔ではない。普通の感覚ならば、マウンドから飛び降りて彼の元に駆けつけ、「大丈夫か? すまない、手元が狂ったんだ。おい、医者を早く呼べ! ぐずぐずするな。おい、しっかりしろ、しっかりしろ!」と、こうなるのではないか。
 それが連中は、軽く会釈だ。わざとだとしか思えない。

 クライマックスシリーズは本当に間抜けだ。3位まで入ったチームは日本シリーズに行ける可能性があるとは、なんのためのペナントレースなんだ? こんな間抜けなことをするのならば、クライマックスシリーズは1位から6位まで全チームでやれば?
 消化ゲームをなくす手段なのだろうが、それならば、逆のクライマックスシリーズをやっていただきたい。4位から6位までのチームが戦って一番弱いチームを選び、裏日本シリーズをやるのだ。
 日本で一番弱いチームはどこか。これは盛り上がる。そして最後に一番弱いチームが日本シリーズで優勝した、つまり一番強いチームと戦うのだ。
 これで一番弱いチームが勝った日には、野球っていったい何だかわからなくなるよ。

2009年11月16日