まくら 日本を大人の国にしよう

 人間は悪口をいう生き物だ。しかし大抵の人間は陰で悪口を言う。

 正面きって悪口を言う人を世間は毒舌家と呼ぶ。毒舌家は敵をたくさんつくる。でも一部の人には強烈に愛される。なぜ愛されるのか? それは自分が言いたいことを毒舌家が代弁してくれるからである。
 毒舌家に対する支持者が多くなると、それは宗教になっていく。宗教というものは、スタートはみな、悪口なのではないかと私は思っている。

 これから私、立川志らくが、ありとあらゆるものに対して悪口を言い放つ。
 現在の日本は、言論の自由が認められていながら、実際のところ言いたいことを言うと袋だたきにあう。マスコミがターゲットにした悪い芸能人、例えばドラッグで捕まったタレントや、不倫をした男優や、失言をした政治家などを、国全体で攻撃する。

 良い悪いは司法が決めることで、彼らを時と場合によっては擁護したっていいはずなのに、そんなことを言った日には、今度は言った人間が攻撃されてしまう。
「ベロベロに酔っ払って記者会見したって、いいじゃないの。人間臭くて私は好きだな」
 とは絶対に言えない。

 酔って裸になって話題になったアイドルに、最初は避難の嵐。それが、擁護論が中心になったとたん、今度は擁護しないと非国民扱いをうけてしまう。

 つまり、現在の日本は文化的に幼稚なのですね。
 子供たちのいじめ問題が深刻化されているが、大人たちがこれだけ公の場でいじめをおこなっているのに、字が読めない総理大臣を寄ってたかっていじめるのに、子供たちの間からいじめがなくなるはずがない、と私は思っている。

 さあ、これから大いに悪口を言って、敵をつくり、味方を増やそう。
 私の味方になった人こそが、日本を大人の国にできる人たちなのだ......やっぱり宗教っぽいなぁ。

2009年9月18日