第五席 懐かしのアニメ

 今回は懐かしのアニメの悪口を書く。

 現在流行(はや)っているマンガはまったく読まないので悪口の言いようがない。ちなみに宮崎アニメはほとんど観ていない。「もののけ姫」は途中で寝てしまったし、「千(せん)と千尋(ちひろ)の神隠し」は、観ているうちにどうでもよくなってほかのことを考えながら観ていたので、筋すら覚えていない。
 宮崎アニメの嫌いなところは、こういう題材のアニメをつくれば世の中が騒ぐというのが計算しつくされているというのが見えすぎるところだ。年々、その傾向が強くなっている。

 最近のアニメで悪口をひとつ。それは手塚治虫作品である。
 手塚治虫のマンガは悪くいいようがない。どれもこれも見事な作品ばかりだが、このたびの「ATOM」だけは嫌だ。あの「鉄腕アトム」を最新の技術でアニメーション化して、ハリウッドスターが声優を務めるという新作のことだ。
 何が嫌かというと、アトムの顔が違う。登場人物を現代に合った姿に変えたとのことらしいが、手塚先生に失礼ではないか。最新の技術でアトムを蘇(よみがえ)らせることは素晴らしいことだ。でも顔は変えるなよ。物語はある程度変えてもいいが、顔は命だ。手塚先生が生きていたら絶対に怒ると思う。それとも遺言であったのか。「いつの日か鉄腕アトムを最高の技術で蘇らせてくれ。顔を変えてもいいから」と。

 黒澤明の「七人の侍」をパチンコにしたぐらいの愚行である。

 まずは国民的アニメ「サザエさん」
 サザエさんについては過去いろいろといわれてきた。だから、今さら私が言う必要もないが、どうしても気になることがある。それは名前がカタカナということだ。サザエ、カツオ、ワカメ、タラ、マスオ。それとマスオの会社の同僚のアナゴくんというネーミングはひどい。友達も全員魚で統一しているのなら仕方ないが、中島くん、花沢さん、イササカ先生、ここらへんは魚とは無関係である。

「宇宙戦艦ヤマト」
 地球を守るための宇宙船に日本人ばかりというのがあり得ない。イニシアチブはアメリカ人がとるはずである。軍国主義の日本人の発想をそのまま引きずっている。乗組員の中に森雪という美人がひとりいるのも不自然だ。第二次世界大戦の戦艦大和に女が乗っていたらどうなる? 七福神の宝船じゃあるまいし、野郎どもの中に女がひとりは危険すぎるぞ。

「巨人の星」
 星飛馬は自分の魔球がホームランにされると、負けたと肩を落として球場から消えてしまう。ホームランを打たれるたびにそんなにショックを受けていたらプロ野球選手としてやっていけない。 

「タイガーマスク」
タイガーマスクは普段は伊達直人という優男(やさおとこ)。ちびっこハウスという孤児院に出向き、ボランティアまがいのことをしているが、だれ一人彼をタイガーマスクだとは思わないのだが、プロレスラーなんて町で会えばだれだってわかるぐらいでかいぞ。

「タッチ」。達也と和也は双子だが、マドンナの朝倉南だってまったく同じ顔をしているぞ!

 同じ顔と言えば「魔法使いサリー」
 サリーちゃんの親友のよし子ちゃんの家族だ。三つ子の兄弟が同じ顔なのは当然だ。お姉さんのよし子が同じ顔なのもまだ分かる。タクシー運転手のお父さんもまったく同じ顔。おいおい。極めつけは死んだ母親まで同じ顔。どんな家族なんだ。

「ドラえもん」
 ドラえもんがポケットから不思議な道具を出すことは驚きだが、それよりなによりあんな生き物が実際に町にいたら、そのことだけで驚きだ。マスコミが黙っていないだろう。ましてや未来からきた猫型ロボットなのだから、科学者が放っておくはずがない。

「エースを狙え」
 ヒロインのライバルのお蝶夫人。あんな高校生、いるか!

「アタックナンバー1」
 バレーボールをやっている女子をもっとちゃんと観察しなさい。あんなにきれいな子はまずいない。

 それにしても、アニメにいちいち食いついている私は、大人げないね。

 

2009年10月16日