はじめに コミュニケーション能力は汎用性の高い一生ものスキル

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 今月より連載を始めます。細谷功です。

 連載テーマとして、コミュニケーションギャップを取り上げます。
 私たちの毎日はコミュニケーションの連続で成り立っています。仕事にしても日常生活にしても、これは例外がありません。山の中でひとり暮らしでもしていない限り、だれも避けて通ることはできないでしょうが、これほど難しいものはないというのも皆さん体験済みでしょう。気分がよくなるのも、悩みが増えるのも、多かれ少なかれこのコミュニケーションが原因になっているということを否定する人は少ないと思います。
 また、企業の採用担当者の意見からも、アンケート結果からも、採用条件として「コミュニケーション能力」は必ず上位に上がってくる項目のひとつです

 これはビジネスのさまざまな場面での重要性が高いというのももちろんですが、スキルとしての汎用性が高いというのも、もうひとつの重要な要素として挙げられるでしょう。どんな職種でも業界でも、担当レベルでも管理職でも役員でも、とにかくあらゆる場面で役立つのがコミュニケーションスキルです。

 「陳腐化しない」という特徴もあります。一度身に付けてしまえば、一生もののスキルだということも言えます。もちろん世代や時代によってコミュニケーションのスタイルは違うかも知れませんが、基本となる考え方には普遍性があるでしょう。

 このコミュニケーションがうまくいかない原因として考えられるのが、伝え手と受け手の間に存在する何らかのギャップです。本連載は、このギャップのメカニズムをできるだけ客観的にわかりやすく説明することにより、少しでも円滑なコミュニケーションを図るにはどうすればよいかについて読者の皆さんと一緒に考えていくことを目的とします。

 もちろん、生まれつきの才能や持って生まれた雰囲気でコミュニケーションのうまい下手が決まるという要素もあります。生来の性格でコミュニケーションが非常に上手で、日常会話でも合コンでも、あるいは仕事の商談でもプレゼンテーションでも、持って生まれた愛嬌(あいきょう)のようなもので抜群のコミュニケーション能力を発揮する人もいます。ではコミュニケーションが下手な人は一生直せないかと言えば、それは明らかにNoです

 本稿で対象にするのは、「再現可能」な原因とその対策についてです。いわゆる属人的な原因や再現不可能な原因については、もともと究明が難しいこともありますが、万一原因がわかったとしても、それを読んだ読者の方々の今後の役に立たないからです。

 タイトルの「象の鼻としっぽ」に込めた意味については、次回の第1回で解説します。

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2009年9月26日