アッシ「親分、あけまして、おめでとうございます。
本年も、どうぞ、よろし......
おやっ? 親分、そのお顔は......」
吉太郎「なんだよ、俺の顔になんか付いてるってか」
おかみ「付いてるの、付いてないのってあんた、
傷だらけなの。
除夜の鐘がなり終わる頃に出てって、
帰ってきたなあ、と思ったらこの有様で」
アッシ「それはそれは、なんと申しますやら。
なかなかのもんで」
吉太郎「顔だけじゃねえよ」
アッシ「腕のあたりをぺろぺろ舐めていらっしゃる
ってことは、そのあたりもやられてるんですね」
吉太郎「右頬をやられたら、右手を出す。
いちいちやりかえしちゃ、いけねえ。その間にこう、
相手の隙をだな......」
おかみ「あんた、そんなこと言ってから、しっぽまで......」
吉太郎「うるせいやい」