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        <title>梧桐書院WEB連載</title>
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        <language>ja</language>
        <copyright>Copyright 2010</copyright>
        <lastBuildDate>Fri, 12 Feb 2010 18:07:31 +0900</lastBuildDate>
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            <title>ふっくらして香ばしい「ふき味噌」のうまさ</title>
            <description><![CDATA[<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-file"><a style="MARGIN: 0px auto 20px" class="button" href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya19_recipe.pdf" target="_blank">レシピ印刷</a></span>
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a title="ふっくらして香ばしい「ふき味噌」のうまさ" href="http://special.gotoshoin.com/images/01_05_fukimiso2.jpg" rel="shadowbox[img]"><img class="mt-image-none" alt="ふっくらして香ばしい「ふき味噌」のうまさ" src="http://special.gotoshoin.com/images/01_05_fukimiso2-thumb-560x372.jpg" width="560" height="372" /></a></span><br /><br />
<p class="bodytxt">　ふきのとうを使った代表的な料理といえば「ふき味噌（みそ）」。茹（ゆ）でて水をさらしてアクをとったふきのとうをきざみ、味噌、みりん、砂糖などと混ぜて練りながら火を入れるのが、基本的な作り方だ。<br />　前回で書いたように、佐渡のおばあさんから、ふきのとうは薬味、スパイスだ、というインスピレーションを得た私が考えたふき味噌の作り方はまったく違う。いわゆる「薬味味噌」にふきのとうという新たな、そして鮮烈な薬味を加えたイメージである。<br />　例によって、生のままきざんだふきのとうをそのまま使い、かつおぶし、胡麻（ごま）、柚子（ゆず）の皮、きざみねぎなどと一緒に味噌に混ぜ合わせる。胡桃や生姜（しょうが）を入れてもうまい。味噌は、米こうじの多い、甘めのものを使うとよい。そのまま炙（あぶ）って、焼き味噌にすると、酒のつまみとして、最高に美味だ。</p>
<div class="leftframe">
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a title="ふっくらして香ばしい「ふき味噌」のうまさ" href="http://special.gotoshoin.com/images/02_06_fukimiso1.jpg" rel="shadowbox[img]"><img class="mt-image-none" alt="ふっくらして香ばしい「ふき味噌」のうまさ" src="http://special.gotoshoin.com/images/02_06_fukimiso1-thumb-200x133.jpg" width="200" height="133" /></a></span><br />
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a title="ふっくらして香ばしい「ふき味噌」のうまさ" href="http://special.gotoshoin.com/images/03_08_fukimiso4.jpg" rel="shadowbox[img]"><img class="mt-image-none" alt="ふっくらして香ばしい「ふき味噌」のうまさ" src="http://special.gotoshoin.com/images/03_08_fukimiso4-thumb-200x133.jpg" width="200" height="133" /></a></span><br />
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a title="ふっくらして香ばしい「ふき味噌」のうまさ" href="http://special.gotoshoin.com/images/04_10_fukimiso6.jpg" rel="shadowbox[img]"><img class="mt-image-none" alt="ふっくらして香ばしい「ふき味噌」のうまさ" src="http://special.gotoshoin.com/images/04_10_fukimiso6-thumb-200x133.jpg" width="200" height="133" /></a></span></div>
<p class="bodytxt">　しかしここで私は考える。ふきのとうが薬味なら、この味噌自体が薬味みたいなもんではないか。というわけで、焼き魚に、大根おろしとともに添える。実にうまい。<br />　ついでに、魚に塗ってから焼く。焼き味噌の香りが漂い、食欲をそそる。ふき味噌はふっくらとして香ばしく、それが、魚の味が混ざり合う。<br />　すぐ近くの沢で釣れるイワナやヤマメが最高。川魚独特の香りとの相性が素晴らしくよいのだ。しかしめったに手に入らないので、ここではタラを使った。海の魚ならタラやアンコウ、フグ、カワハギ、メバルなどの白身魚がよい。「魚のふき味噌田楽（でんがく）焼き」とでもいおうか。魚の代わりに豆腐にのせて炙ってもおいしいし、焼きおにぎりも素晴らしい味わいだ。</p>
<p class="bodytxt">　断言するが、通常の作り方のふき味噌より、この"ふき薬味味噌"のほうが、何倍も何十倍もうまい。そのうえふきのとうをたくさん使う必要もない。2～3人分なら、作る前に、庭からひとつひねりとって、その半分程度使えば十分なのだ。<br />　しかし、少なくて済む、というのは困ったことでもある。次から次へと出てくるふきのとうを消費できないのだ。やがてふきのとうは空に向かって伸び始める、暖かくなるにつれ、白い花が咲き、綿毛（わたげ）でいっぱいになり、それがところどころ抜け落ちてすっかりくたびれた印象になる。<br />　風に吹かれる、それらのふきのとうの姿を見て、私は膝（ひざ）を打った。その姿は、背中を丸めてよろよろと動く、白いひげの老人そのもの。我が家の庭のあちこちで、正真正銘の「ふきのじいさん」たちがゆらゆらと揺れているのである。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-69.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Fri, 12 Feb 2010 18:07:31 +0900</pubDate>
        </item>
        
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            <title>「ふきんじい」で作る不思議なスナック</title>
            <description><![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya18recipe.pdf" class="button" style="margin: 0px auto 20px;" target="_blank">レシピ印刷</a></span>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/01_04_fukinoto5.jpg" rel="shadowbox[img]" title="「ふきんじい」で作る不思議なスナック"><img alt="「ふきんじい」で作る不思議なスナック" src="http://special.gotoshoin.com/images/01_04_fukinoto5-thumb-560x373.jpg" width="560" height="373" class="mt-image-none" style="" /></a></span>
<br /><br />
<p class="bodytxt">　佐渡ではふきのとうのことを「ふきんじいさん」と呼ぶ。最初に聞いたときは、布巾（ふきん）を頬（ほお）かむりにしたおじいさんの姿がパッと頭に浮かんだが、実際は「ふきの爺（じい）さん」という意味。略して「ふきんじい」という。</p>

<p class="bodytxt">　春真っ先に自然からいただける大地の恵みが、この「ふきんじい」だ。佐渡に引っ越してきた最初の年、私は、初めての春の訪れがあまりにうれしくて、庭の溶けた雪の間から顔を出す大量のふきんじいを採り、天ぷらにして食べた（ごはんと、おかずはこの天ぷらのみで、30個ぐらい食べただろうか）。<br />
　すると頭痛に襲われ、体中がだるくなったのだ。アクのせいだ。<br />
　地元の人たちは、くたくたに煮込んでアクを十分に取ってからふき味噌（みそ）などにして食べていたが、私には「せっかくの瑞々（みずみず）しい香りを生かしたい」という思いがあり、「くたくた煮」には踏み切れない。かといってあのひどい頭痛はもういやだ。もうふきんじいを食べるのをやめようか、と思っていたころ、近所に住むおばあさんが、そのふきんじいを持って玄関先に現れた。</p>

<div class="leftframe">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/02_05_fukinoto1.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真1"><img alt="写真1" src="http://special.gotoshoin.com/images/02_05_fukinoto1-thumb-200x133.jpg" width="200" height="133" class="mt-image-none" style="" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/03_08_fukinoto4.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真2"><img alt="写真2" src="http://special.gotoshoin.com/images/03_08_fukinoto4-thumb-200x133.jpg" width="200" height="133" class="mt-image-none" style="" /></a></span>
</div>

<p class="bodytxt">　「刻んで、できあがった味噌汁にパッと散らすとうまいぞ」<br />
　これは目からウロコだった。<br />
　細かくしてふりかけ、料理に香りを与える――ふきのとうの薬味化、あるいはスパイス化とでもいおうか。さっそく、味噌汁に、煮物に、きんぴらに、パスタに、そして豚の角煮にパッと散らす。すると周囲が一気に春の香りに満たされ、料理の味が引き締まるのだ。<br />
　刻むと、小さなふきの花のつぼみがこぼれるように飛び出てくる。ふきのとうは小さな花の集合体なのだ。この小さなつぼみがかわいく、つぼみばかりを選んで料理にのせると絵にもなる。<br />
　一度にたくさんのふきんじいを採る必要もない。食事の前に庭に出て一つだけ取り、料理ができあがったら供す前にきざんで散らすだけである。</p><p class="bodytxt">　そんなふきんじいの使い方を覚えてからよく作ったスナックのレシピがある。簡単で、意外で、私は大好きだが、その味が他の人にとってもおいしいのかどうか、今でも判断しかねる、不思議なスナックである。<br />
　材料は、ワンタンの皮、ふきのとう、蜂蜜（はちみつ）、黒こしょうだけ。蜂蜜とふきんじいの組み合わせ＋ピリリと痺（しび）れるこしょう風味に私はハマってしまったのだが、周囲の人間に「うまい」と言われた記憶はないので、本当においしいのかどうか、まったく自信はない。ここで公開して皆様のご判断を仰ぎたい。</p><p class="bodytxt">　ところで、当時、「ふきんじい」という名前がどうにも腑（ふ）に落ちなかった。ふきのとうの、生命力をうちに秘めて充実したかわいげのある丸い姿は、むしろ「ふきの赤ちゃん」とでも言ったほうがいいんじゃないか、と思っていた。<br />
　そんな私がこの「じい」という名に納得するのは、木々の若葉が芽吹き、花が咲き、もうだれもふきんじいのことなど構わなくなった春満開のある日のこと。そのときのことは、次回、詳しく書きたい。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-67.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Fri, 05 Feb 2010 12:10:30 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>想像力をかきたてる「牡蠣」という食材</title>
            <description><![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya17recipe.pdf" class="button" style="margin: 0px auto 20px;">レシピ印刷</a></span>
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/kaki_01_04.jpg"><img alt="写真" src="http://special.gotoshoin.com/images/kaki_01_04-thumb-560x372.jpg" class="mt-image-none" style="" width="560" height="372" /></a></span>
<br /><br />
<p class="bodytxt">　佐渡は牡蠣（かき）の養殖が盛んである。シーズンになると海水ごとビニール袋にごっそりと詰められて売られている。買ってきて、シンクのところでビニール袋にはさみを入れると、とたんに海水がどっとあふれ出し、広がる磯の香りに台所が海になったかと思う。<br />　海辺に行けば、天然の牡蠣が波消しブロックや防波堤にびっしりとついている。殻は分厚く身は小さいが、滋養（じよう）と旨（うま）みが詰まったような味。固いナイフでその場でガンガンと叩（たた）いて殻を壊しながら食べる。<br />　殻を壊していると、第15回でも紹介したハチメという魚が寄ってきて、殻が割れて中身が出た瞬間に牡蠣に飛びつき、吸い込むようにして食べてはさっと逃げてゆく。<br /><br />　牡蠣は好きな食材だ。シーズンになると必ず新しいレシピを作って発表している。ネット上にアップしたものだけでも、<a href="http://allabout.co.jp/gourmet/cookingmen/closeup/CU20041218A/">牡蠣とセリの豆乳キムチ鍋</a>、<a href="http://allabout.co.jp/gourmet/cookingmen/closeup/CU20041112A/">牡蠣のロールキャベツ</a>、<a href="http://allabout.co.jp/gourmet/cookingmen/closeup/CU20041115A/">牡蠣のネギショウガ蒸し</a>、<a href="http://allabout.co.jp/gourmet/cookingmen/closeup/CU20041116A/">黒ビール生地の牡蠣ベニエ</a>、<a href="http://allabout.co.jp/gourmet/cookingmen/closeup/CU20051123A/">牡蠣のリゾット</a>、<a href="http://allabout.co.jp/gourmet/cookingmen/closeup/CU20051123A/">牡蠣のライスコロッケ</a>、<a href="http://allabout.co.jp/gourmet/cookingmen/closeup/CU20051214A/">カキとミルクのオニオングラタン</a>、<a href="http://allabout.co.jp/gourmet/cookingmen/closeup/CU20061109A/">牡蠣ごはんの焼きおにぎり</a>など、さまざまなレシピを作ってきた。</p>

<div class="leftframe" style="width: 200px;">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/kaki_02_11.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真"><img alt="写真" src="http://special.gotoshoin.com/images/kaki_02_11-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span>
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/kaki_03_12.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真"><img alt="写真" src="http://special.gotoshoin.com/images/kaki_03_12-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span>
</div>

<p class="bodytxt">　個性的な味だが、和洋を問わずさまざまなものに合う。牡蠣うどんや、牡蠣がゆなどのように、とてもシンプルな味わいのものと相性がいい。料理のプレーンな感じを残したままで、複雑で奥行きのある味に一変させることができるのは、牡蠣ならではだろう。肉や魚では味が濁る。野菜では奥行きが出ない。<br />　その一方で、燻製（くんせい）やオイル漬け、揚げものなど、強い味に仕立てても美味。チーズをかけても味噌（みそ）を塗りつけてもビクともしない強い味わい。それでいて他の素材の透明感を損なわないのだからすごい。料理をする人にとっては使いやすく、また想像力をかき立てる希有（けう）な食材なのである。<br /><br />　これまで発表した蠣のレシピのなかで、もっとも評判がよかったのは、手羽先（てばさき）に牡蠣を入れたもの。牡蠣の入った手羽先ギョーザ、「手羽牡蠣」だ。もう４年以上前に発表したものなのに、つい最近も、「あのレシピはすごい」と言われたばかり。よく聞くと、おいしくてすごい、というより、すごく奇想天外というニュアンスだったが。<br />　最近、「このレシピを失敗した」という人に会った。その人の話から、正しい肉の焼き方をしないとこの料理はうまくいかないことがわかった。焼くときに強火で表面を焼きつけ、そのあとすぐフタをして弱火で蒸すような焼き方をすると、中から水分がジャブジャブと出てきてまずくなるというのだ。<br />　自己弁護すれば、この焼き方は普通に肉を焼く際にも、「まずくなる典型的な焼き方」なので、牡蠣手羽は、誤った焼き方を正す契機となる素晴らしい料理ということになる。誤った焼き方をするとすごくまずくなり、きちんと焼くとすごくおいしくなる（すごく奇想天外と言われたが、客観的な判断力を持つ私が思うに、すごくおいしい。ご心配なく）という、とてもはっきりとした性格を知り、私はますますこの料理を好きになった。<br /><br />　このレシピ、書いてから時間がたち、私自身の作り方も変わった。そこで、ここで新たな形で3種類の牡蠣手羽レシピを、まずくならない焼き方とともに紹介する。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-61.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Thu, 21 Jan 2010 00:42:02 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ハレの日の清々しさをいただく佐渡の雑煮</title>
            <description><![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya16_recipe.pdf" class="button" style="margin: 0px auto 20px;">レシピ印刷</a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="zouni.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/images/zouni.jpg" class="mt-image-none" style="" width="560" height="380" /></span>
<br /><br />
<p class="bodytxt">　佐渡島の正月は、お雑煮（ぞうに）ではなく、「あん餅（もち）」を食べる。こう言うと、あんこが入ったお餅を野菜などとともに雑煮のなかに入れたものだと誤解する人が多いが、それは、香川県のもの。佐渡では、手で丸めた餅に小豆（あずき）を煮て作ったつぶあんをドバッとかけただけの、いわゆるぜんざい風のものを朝っぱらから食べるのだ。</p>

<p class="bodytxt">　正月ゆえ、これに日本酒も加わり、「酒と甘味」という、いかにも体に悪そうな、禁断の組み合わせで飲み続けることになる。正月のみならず、米でできた甘いものと、米から作った酒の組み合わせは、特に老人たちとの飲みではよく出くわし、延々と続く宴会のなか、今日は米と砂糖と豆しか胃に入れてないぞ、と思いつつ酩酊（めいてい）し、そのまま倒れるように眠りにつくことも多い。</p>

<p class="bodytxt">　これは確実に体に悪いわけだけが、一緒に飲んだ老人たちの多くが健康なまま長寿をまっとうする。たぶん山間部の田畑での労働量は尋常じゃなく膨大で、糖分も炭水化物も体に留まらないからだろう。なにしろ前日に私と同じぐらいの酒量を一緒に飲んだはずの86歳のおじいさんが、翌朝４時から草刈り機で田んぼの草刈りを始めるのだ。彼にとっては、砂糖も米も酒もガソリンのようなもので、十分に補給したら、バリバリと体が動くのだと思う。<br />
　その一方で、私は、草刈り機の軽快なエンジン音を寝床で聞きながら、二日酔いの苦しみにもだえる。自分がダメ人間だと思い知る瞬間である。</p>

<p class="bodytxt">　話をお雑煮に戻そう。京都に住んでいるときは、創業200年を超える祇園（ぎおん）の料理屋の娘さんから、由緒正しい京のお雑煮の作り方を聞いた。いわく、出汁（だし）で伸ばしてどろどろにした白みその中で丸餅（まるもち）をとろけそうになるまで煮る、とのこと。<br />
　実際に作ってみると、甘ったるく、ふにゃふにゃとした食感。同じ甘さでも、佐渡の甘さが額に汗して働く人の甘さとすれば、こちらは、働かない人の甘さというべきか、あごの筋肉を使って噛（か）むのもおっくう、という感じの、京都の「ぼん」たちにふさわしい味わいだ。<br />
　別の京都生まれの友人によれば、どろどろの白みそ雑煮に擂（す）ったわさびをのせて食べると美味だそうで、そこには京都の洗練とでも言うべきものを感じるが、やはり、東京生まれで、澄（す）まし汁に小松菜、鶏という雑煮を食べてきた私としては、もう少し、シャキッとした、粋なところが欲しいと感じてしまう。</p>

<p class="bodytxt">　実は、あん餅優勢の佐渡の小木（おぎ）という地域に、実に粋なお雑煮がある。日々の暮らしに根ざしていながら、新春らしいハレの日の清々（すがすが）しさがあり、すっきりとした佇（たたず）まいとその味わいは、粋が美に昇華した、とでもいうべき、卓越したものだ。<br />
　出汁には、浜に揚がったばかりの飛び魚を、すぐさま頭とはらわたを取って囲炉裏でじっくり焼き、さらにからからになるまで干したものを使う。そしてその透明でふくらみのある出汁に入れる具は、芹（せり）と島へぎだ。</p>

<p class="bodytxt">　雪に埋もれる冬場、湧（わ）き水が出ている場所一帯だけは青々としている。一年中温度のほとんど変わらない湧水のために雪は溶かされ、芹が生育しているのだ。雪を踏み分けて湧水にたどり着き、芹を数本引き抜くと、泥水の中から突然現れるその根の白さに、思わず息を呑（の）む。<br />
　そして島へぎ。前回も書いたが、年末から１月ごろ、波が打ちつける極寒の岩場で育つ岩のりの新芽である。正月前後が一番美味で、2月が近づくにつれて成長して厚くなり、ゴムのような食感になってしまう。<br />
　この時期、佐渡は荒れ模様の天気が続く。寒風を受け、ときに波にさらわれそうになりながら、凍りつく岩場に張りついて、これをはぎ取ってゆく。</p>

<p class="bodytxt">　焼き餅に飛び魚焼き干しの澄まし汁を注ぎ、芹と島へぎを添え、柚子（ゆず）の皮をのせる。芹は根ごと使う。真っ白な芹の根と黒い島へぎ、そして瑞々（みずみず）しい芹の若緑色と柚子の黄の色合いの美しさ。そして芹の鮮烈な香気、島へぎの磯の匂い、柚子の薫（かお）りが相まって、周囲の空気まで引き締まった特別のものにする。<br />
　思わず深呼吸し、厳しいものになるであろう新しい1年と、まっすぐに向き合うのである。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-58.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Fri, 08 Jan 2010 13:00:20 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ハチメの「すべて」を堪能しつくす</title>
            <description><![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya15_recipe.pdf" class="button" style="margin: 0px auto 20px;">レシピ印刷</a></span>
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/01_04_hachimemiso3.jpg" rel="shadowbox[img]" title="ハチメの骨の味噌汁"><img alt="ハチメの骨の味噌汁" src="http://special.gotoshoin.com/images/01_04_hachimemiso3-thumb-560x373.jpg" width="560" height="373" class="mt-image-none" style="" /></a></span>
<br /><br />
<p class="bodytxt">　私が住んでいた佐渡で、もっとも好まれていた魚は、ハチメである。<br />
　ハチメとはメバルのことだ。ときに赤い沖メバルをタカナバチメ、キツネメバルをアラバチメと呼んで区別するが、そのいずれをも愛している。<br />
　脂（あぶら）がたっぷりのった寒ブリでも、高級魚の真鯛（まだい）や平目（ひらめ）でもなく、メバルこそを最も美味な魚だと言う、その一点をもって、私は佐渡の人々を信頼する。</p>

<p class="bodytxt">　久々に、素晴らしい鮮度の佐渡のハチメを手に入れた。色鮮やかなタカナバチメである。<br />
　ハチメは、早春に佐渡の山々に咲くこぶしの花を思い出させる。<br />
　焼けば、ほろりと崩れる身は花びらのようで、その身を透明感のある脂が包んで、繊細さを保ちつつも濃厚な旨（うま）みとコクがある。<br />
　煮魚にすれば、張りつめた皮に箸（はし）を入れた瞬間、弾けるように立ち現れる身は、まさに白い花がひとつ、ポン、と咲いたよう。息をのむほどに美しい。そして、その香りと甘さ、身の一片一片がそれぞれに自立したような、緊張感のある弾力に魅了されるのだ。</p>

<div class="leftframe">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/02_hachimemiso4.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真"><img alt="写真" src="http://special.gotoshoin.com/images/02_hachimemiso4-thumb-200x133.jpg" width="200" height="133" class="mt-image-none" style="" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/03_07_hachimenori4.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真"><img alt="写真" src="http://special.gotoshoin.com/images/03_07_hachimenori4-thumb-200x133.jpg" width="200" height="133" class="mt-image-none" style="" /></a></span>
</div>

<p class="bodytxt">　佐渡ではハチメを大切に食べる。内蔵はもちろん、年配の人はエラまで味噌（みそ）と一緒にたたいて食べたという。そして、塩焼きにしたのちには、残った骨をもう一度焼き、味噌と薬味、湯を注いで、味噌汁とし、最後まで堪能するのだ。<br />
　この味噌汁がうまい。顔の大きさがよいバランスを作るのか、骨だけになったハチメがまず美しい。花が落ちたあとの枝ぶりもよいのである。味噌と刻んだ葱（ねぎ）をのせて熱湯を注げば、真っ黒に焦げて折れたヒレや、脂が浮き上がり、見た目は品があるものではないが、それゆえに香ばしく、またコクがある。貪（むさぼ）るように飲めば、ハチメのすべてを堪能し尽くしたような充実感が湧（わ）き上がる。</p>

<p class="bodytxt">　1尾はそうやって堪能し、もう一尾は洋風に仕立てた。洋風といってもソースには佐渡の「島へぎ」を使う。島へぎは、12月末から1月の極寒期、波が激しく打ち付ける岩場で育つ天然のノリの新芽である。<br />
　この島へぎにも、特別な思いがある。毎年1月ごろ、私は山の中の我が家で雪に埋もれ、永遠に続くかのような寒さにうんざりして過ごしていた。しかし、山の比ではないほど寒い岩場で伸びはじめる、新芽の初々（ういうい）しい香りと柔軟な食感を味わうと、「ああ、春が近づいているんだ」と勇気づけられるのである。</p>

<p class="bodytxt">　その磯（いそ）の香りがハチメと合わないわけはない。寒さで甘みを増したねぎを合わせた一品は、食の快楽に満ちあふれていると同時に、生活の根っこの部分を思い出させるような味わい。冷たく澄んだ空気の中にいるような気持ちになり、思わず背筋が伸びるのだ。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-51.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Fri, 11 Dec 2009 17:44:02 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>どんな食材とも合う「禁断の果実」</title>
            <description><![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya14_recipe.pdf" target="_blank" class="button" style="margin: 0px auto 20px;">レシピ印刷</a></span>
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/01_05_butaringo4.jpg" rel="shadowbox[img]" title="どんな食材とも合う「禁断の果実」"><img alt="どんな食材とも合う「禁断の果実」" src="http://special.gotoshoin.com/images/01_05_butaringo4-thumb-560x420.jpg" class="mt-image-none" style="" width="560" height="420" /></a></span>
<br /><br />
<p class="bodytxt">　りんごは箱買いが基本だ。段ボール箱一杯に買っても、腐らせてしまうことはまずない。なぜなら、りんごは「食材」としてとても秀逸（しゅういつ）だからだ。<br />
　肉に合う。魚に合う。豆に合う。乳製品に合う。卵に合う。多くの香辛料に合う。生でうまい。煮ても、焼いても、揚げてもうまい。料理をする人間にとってこれほど重宝する果物はめったにない（その対極にある果物が柿で、柿ほど加熱調理に難儀する果物はめったにない）。<br />
　「禁断の果実」にされてしまったのもわかる気がする。りんごを前にすると欲望（ただし食欲に限る）が、際限なく広がってゆく気がするのだ。</p>

<p class="bodytxt">　りんごを使った手持ちのレシピはそれこそ山のようにあるが、今回はすべて新作。ここ数日、箱一杯のおいしいりんごを相手に頭と手と舌とを使ってウンウン唸（うな）りながら考えたものだ。</p>
<div class="leftframe" style="width: 200px;">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/02_07_butaringo2.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真：豚肉"><img alt="写真：豚肉" src="http://special.gotoshoin.com/images/02_07_butaringo2-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/03_09_mameringo4.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真：ひよこ豆とりんご、ブルーチーズのオーブン焼き"><img alt="写真：ひよこ豆とりんご、ブルーチーズのオーブン焼き" src="http://special.gotoshoin.com/images/03_09_mameringo4-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/04_13_ringopurin4.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真：カラメリゼしたりんごのプリン"><img alt="写真：カラメリゼしたりんごのプリン" src="http://special.gotoshoin.com/images/04_13_ringopurin4-thumb-200x148.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="148" /></a></span>
</div>
<p class="bodytxt">　まずは、定番の豚肉。京都で無職だったころは、冬になると、豚肉とリンゴを同じぐらいの大きさに切って炒め、黒こしょうをたっぷりかけたものをしょっちゅう食べていた。安上がりでおいしく、栄養もある。京都の冬の寒さと共に思い出すのは、ハモでも千枚漬けでもすっぽんでもなく、豚とりんご、である。<br />
　これまではたいてい火を入れたりんごを豚に合わせてきたが、今回は生。生ならではの立ち上る香りとシャッキッとした食感が、まったりとした豚の味をぐっと引き締めてなかなかよい。すだちでさらで風味をつけ、輪郭のしっかりとした味わいとする。ローストした豚肉の代わりに蒸した鶏の胸肉などで作っても美味だ。</p>

<p class="bodytxt">　続いては、豆とチーズとりんご。これも自分のなかでは新しい組み合わせだが、とてもおいしかった。ひよこ豆とりんごの組み合わせ、というのは、何やら可能性を感じるので、今後も追求してゆきたい課題である。</p>

<p class="bodytxt">　そして仕上げはりんごをのせたプリン。焼きりんごにカスタードソースをかけるのを想像すればわかるように、りんごと卵というのはかなり幸福な組み合わせだ。<br />
　ここでの一工夫は、りんごをタルト・タタンのようなキャラメル風味に仕上げているところだ。冷やしたプリンにできたての「バターキャラメルりんご」をかけて食べる。口の中では、香ばしいカラメルをまとったアツアツの甘いりんごが、とろけるようなプリンと絡み合って、これはちょっとヤバいくらい、至福なひとときなのである。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-47.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Mon, 30 Nov 2009 17:53:34 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>鹿肉との格闘②　ものみな「カレー」で終わる</title>
            <description><![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya13_recipe.pdf" class="button" style="margin: 0px auto 20px;">レシピ印刷</a></span>
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/01_05_shikacurry3.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真：鹿肉との格闘②　ものみな「カレー」で終わる"><img alt="写真：鹿肉との格闘②　ものみな「カレー」で終わる" src="http://special.gotoshoin.com/images/01_05_shikacurry3-thumb-560x420.jpg" class="mt-image-none" style="" width="560" height="420" /></a></span>
<br /><br />
<p class="bodytxt"> 「ものみなカレーで終わる」と思っている。<br />
　例えば大量のポトフを作ると、2日目、それにブラウンルーやワインを入れてシチューになる。3日目はスパイスを投入してカレー、という具合。<br />
　カレーにしてしまえば数日はもつ。あるいは鍋ものをするとき、最初は水炊き、翌日はトマト水煮を入れてイタリアン鍋。3日目はカレー鍋だ。<br />
　撮影のために、うどんをたくさんゆでなければならかったとき。もちろん最初は釜揚げで食べる。翌日は焼うどん。3日目、カレーのなかで煮込む。<br />
　多少味が落ちていても、雑多な素材が混じり合っていても、カレーならなんとかなる。「最後は俺に任せろ」という風情で、あらゆる料理の背後にカレーが控えている感じだ。</p>
<div class="leftframe">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/02_06_shikacurry1.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真1"><img alt="写真1" src="http://special.gotoshoin.com/images/02_06_shikacurry1-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/03_09_sikapate1.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真2"><img alt="写真2" src="http://special.gotoshoin.com/images/03_09_sikapate1-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/04_08sikapate3.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真3"><img alt="写真3" src="http://special.gotoshoin.com/images/04_08sikapate3-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span>
</div>
<p class="bodytxt">　というわけで、大量の鹿肉も、やっぱり最後は保存のきくカレーで終わるのだ。とりあえず赤ワインに漬けて数日保存していた鹿肉を取り出し、肉の堅く筋っぽい場所はフードプロセッサーでペースト状にし、冷蔵庫に余っていた栗とイチジクを加えて、スパイスたっぷりのカレー風味の保存食に。柔らかそうな部分は本格的な鹿カレーにした。</p>

<p class="bodytxt">　実は鹿のカレーには、忘れがたい思い出がある。私がカレーのおいしさに開眼したのは、スリランカ南部の田舎の集落で鹿のカレーを食べたのがきっかけだった。<br />
　大学時代、もう20年近く前のことだ。岩に刻まれた磨崖仏（まがいぶつ）を見る途中で、昼食にバナナの葉を皿代わりにして、あるカレーを一口食べた。肉をひと口ほおばった瞬間、その肉のうまさに驚いた同時に、猛烈な辛さが体を襲った。辛いというより「痛い」に近い。こしょうと赤唐辛子と青唐辛子の辛さが渾然一体（こんぜんいったい）となった、これまで経験したことない強烈な刺激。一瞬、周囲の音が聞こえなくなり、目もかすんだ気がした。<br />
　そして、なにやら全身が膜に包まれたような感じが続いて、どっと汗が噴き出すと同時にその膜は消え、今度は視界が澄みわたって、緑の木々が美しく見え、風の音や鳥の声が脳に直接響いてくるように感じたのだ。<br />
　まるでちょっとした「トリップ体験」のようだった。その状態のまま、ジャングルの中に切り立つ崖に彫られた千年以上前の磨崖仏を見たら、緑に包まれた仏様が目の前に迫ってくるようで、思わずその場で出家しそうになったほど。そしてそこを離れると、今度は母子連れの野生の象がいた。子象が灌木（かんぼく）の葉を食べるサワサワという音が、耳にビンビン響き、私は恍惚（こうこつ）とした。<br />
　そしてそれ以降、私は辛さを克服し、現地のカレーになじめるようになったのだ。</p>

<p class="bodytxt">　今回のカレーは、その印象深い味を再現したものだ。ただし、読者の健康を考えてかなり辛さを控えめにしてある。<br />
　ひと口食べると、以前のように「トリップ」はできなかったものの、子象たちが葉を食べるサワサワという音を久しぶりに思い出し、懐かしい気持ちになった。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-44.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Fri, 20 Nov 2009 10:36:32 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>鹿肉との格闘①　トマト煮とコロッケ</title>
            <description><![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya12_recipe.pdf" class="button" style="margin: 0px auto 20px;">レシピ印刷</a></span>
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/01_10_sikakorokke4.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真1"><img alt="写真1" src="http://special.gotoshoin.com/images/01_10_sikakorokke4-thumb-560x420.jpg" class="mt-image-none" style="" width="560" height="420" /></a></span>

<p class="bodytxt">　今回も鹿である。狩猟された肉というのは、100g単位で売られているわけではない。いただくときは数キロ単位なので、数日間かけて取り組むことになるのだ。<br />
　前回、何やら神聖なものにふれたような気持ちになる、と書いたが、それは最初に沸き上がる感情で、量が多いゆえ、やがていかに時間をかけず、味を落とさずに調理してゆくか、というむしろ「鹿肉と格闘」という言葉がしっくりくる状況になってくる。<br />
　鹿肉のブロックは冷蔵庫で熟成できるのだが、今回いただいたのは売り物になる部分を取ったあとの切れ端肉なので空気に触れる面積が広く、劣化しやすい。手早く調理することが要求されるのだ。</p>

<p class="bodytxt">　特に格闘という言葉がしっくりくるのが、肉と同時にもらったセンマイ（第三胃）である。鹿と牛は同じ仲間。牛同様、鹿にもセンマイがある。野生のものゆえ、そこには内容物が付着しているので、まずこれを徹底的にゴシゴシと洗う。匂いと汚れは取れにくく、軽く下ゆでしてまたゴシゴシ。これに時間を取られる。ただし、下ゆでを繰り返すなど、あまりヒステリックに匂いを取ろうとしてはいけない。</p>

<div class="leftframe">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/02_06_senmaitomato1.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真2"><img alt="写真2" src="http://special.gotoshoin.com/images/02_06_senmaitomato1-thumb-200x157.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="157" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/03_05_senmaitomato5.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真3"><img alt="写真3" src="http://special.gotoshoin.com/images/03_05_senmaitomato5-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/04_13_sikakorokke3.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真4"><img alt="写真4" src="http://special.gotoshoin.com/images/04_13_sikakorokke3-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span>
</div>

<p class="bodytxt">　もう10年も前だが、中米はグァテマラのある町で、市場で牛の腸を買ってきて、モツ鍋を作ったことがある。<br />
　市場のなかでももっともほの暗く、日本の常識だと「かなり不潔」な場所にある臓物屋で買った牛腸は、中身、つまり牛のウン○がしっかり詰まっていた。それを泊まっていた安宿に戻って水道でゴシゴシと洗う。ふと見ると、そのすぐそばにある宿のカフェのテーブルがなぜか黒く見える。よく見れば、すきまなくびっしりとハエがとまっていたのである。<br />
　町中のハエが集まってきたのではないか、と思うほどの光景にビビって、とにかくこのモツをキレイにしなければと、必死に洗い、タワシでこすり続け、さらに、何度も下ゆでした。<br />
　そしてその結果、モツ鍋はモツの味がまったくしない、柔らかめの無味のゴムのような代物に成り果ててしまったのだ。</p>

<p class="bodytxt">「いくら最初が臭いからといって、臭み取りはやりすぎない」<br />
　過去の教訓からそう肝に銘じて下処理にあたったのだが、今回はなんとか美味しく食べられる程度には踏みとどまったものの、やっぱりちょっと旨（うま）みが抜け過ぎた。もともと臭みも旨みも少ないセンマイなので、もう少し加減すべきだった。<br />
　やはり「中身」の存在は、人を清浄さへと駆り立ててしまう。それで結局、面白みのないものを作ってしまうのだから、まだまだ修行が足りない。</p>

<p class="bodytxt">　さて、そんな旨みが若干抜けたセンマイを今回はトマト煮にした。トマト煮といえば、センマイの少し上にあるハチノスを使うのが普通だが、センマイでも美味。トマトの旨みであるグルタミン酸を付加して抜けた旨みを補おうという魂胆もあり、ついでにパルミジャーノチーズも振ってオーブンで焼く。これでちょっとしたごちそうだ。<br />
　それから、前回紹介したワイン煮は保存もきくので大量に仕込んだ。そのままじゃ飽きるので、コロッケに。<br />
　こんなふうに、一つの料理をさらにさまざまなレシピに展開させつつ堪能するのもいいものである。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-42.html</link>
            <guid>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-42.html</guid>
            
                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Tue, 17 Nov 2009 09:48:17 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>神聖なる山のめぐみをいただく「鹿の料理」</title>
            <description><![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya11_recipe.pdf" class="button" style="margin: 0px auto 20px;">レシピ印刷</a></span>

<p class="bodytxt">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="写真1" src="http://special.gotoshoin.com/images/01_05sikaheart4-thumb-560x420.jpg" class="mt-image-none" style="" width="560" height="420" /></span>
</p>

<p class="bodytxt">　昨日、近くで狩猟された鹿の肉とレバー、そして心臓をいただいた。<br />
　肉はもちろんおいしく、またレバーの旨（うま）さも素晴らしいが、適切に処理された獲（と）れたての鹿の心臓は、鹿の舌とともに日本の山がもたらす最高のごちそうのひとつだろう。<br />
　厚めに切って刺身として食せば、臭みは何一つなく、その味わいは透明感にあふれる。噛（か）み込んでゆくときの筋繊維の軽い弾力が心地よく、ぷりっと噛み切るその瞬間は至福のときだ。</p>
<p class="bodytxt">　そんな良質な心臓をいただくと、何やら緊張して、身の引き締まるような気持ちになる。生きている鹿や雉（きじ）、猪（いのしし）などを見ても、ついおいしそう、と思ってしまう人間なので、敬虔（けいけん）な気持ちで「命をいただく」などときれいごとを言うつもりはないが、やはり何やら神聖なものに触れたような気持ちになる。</p>
<p class="bodytxt">　ちょうどその日は今年一番の冷え込み。おそらく一撃で仕留められた鹿の腹を開ければ、もうもうと湯気があがり、あたりの視界を白く覆ったはずだ。それは命が失われた瞬間の美しい光景で、そのなかですぐさま血抜きされた心臓が私の前にある。</p>
<div class="leftframe">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/02_06_sikaheart1.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真2"><img alt="写真2" src="http://special.gotoshoin.com/images/02_06_sikaheart1-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/03_14_wianemarine2.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真3"><img alt="写真3" src="http://special.gotoshoin.com/assets_c/2009/11/03_14_wianemarine2-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/04_13_wineni5.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真4"><img alt="写真4" src="http://special.gotoshoin.com/images/04_13_wineni5-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span>
</div>
<p class="bodytxt">　その生命を支えていた臓器のあまりの小ささと、いまだ誰にも穢（けが）されていないような清涼さにも少し動揺し、緊張してしまう。はたして、この美しさに見合うだけのおいしい料理を自分に作れるのか、単にこの美しい筋肉の塊（かたまり）を穢してしまうだけではないのか。そんな思いにとらわれてしまうのである。</p>
<p class="bodytxt">　そんな緊張感とともに作ったのは、上質の塩をふり、レバーと心臓を低温で火を通し、旬のぶどうと合わせたものだ。やはり旬のものと合わせるとその旨さが引き立つ。刺身もとびきり旨いのだが、生育環境の悪化や寄生虫、病原菌などの問題から、残念ながら生食はおすすめできない。<br />
　今回は質と鮮度が良かったため、血抜きはしていないが、臭みがあれば、牛乳に浸（つ）けたり、砂糖をふってマリネにするなどして血抜きするとよいだろう。</p>
<p class="bodytxt">　肉のほうは、いただいたのは売り物になる部位を取ったあとの、筋の多い部分。ステーキなどにはできないが、旨みや味わいはこちらのほうがよいくらいだ。これも仕留め方と処理がよいのだろう、肉の風味がよい。仕留め方や処理がまずいと、肉に血が回り、豚のレバーのような臭みが出てしまう。</p>
<p class="bodytxt">　定番はやはり赤ワイン煮。細く切って、鹿ともっともよく合うスパイス、ジュニパーベリーと一緒にひたすら煮込む。<br />
　さらにそんな筋の多い余り肉のなかから、やわらかい部分を見つけて切り出し、スパイスとワインでマリネにした。そのままなら、カルパッチョのようになり、軽く乾かして食べると生ハム風となり、どちらも美味。もちろん、赤ワインのお供に最高だ。</p>
<p class="bodytxt">　鹿肉の料理など、一般には作る機会は少ないだろうから、今回はあまり役に立たないレシピかも知れない。しかし、もし外食などで鹿肉を食すことがあれば、私が感じたような動揺や身の引き締まる思い気持ちなどを、想像してみてもらえたらうれしいと思う。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-39.html</link>
            <guid>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-39.html</guid>
            
                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Mon, 09 Nov 2009 22:17:11 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>大根を使いつくす「ぜいたく」な「貧乏料理」</title>
            <description><![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya10_recipe.pdf" class="button" target="_blank" style="margin: 0px auto 20px;">レシピ印刷</a></span>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="写真1" src="http://special.gotoshoin.com/images/01_07_tomoae6.jpg" class="mt-image-none" style="" width="560" height="373" /></span>
<br /><br />
<p class="bodytxt">　いよいよ大根の収穫期だ。佐渡では、秋の深まりとともに、何十本という大根をもらい続ける。まずは幾人ものおじいさん、おばあさんが、間引いた小さなものを玄関先まで持ってきてくれる。これは葉ごと刻んで炒めるのが定番で、ご飯のおかずにぴったりだ。<br />
　やがて根が太ってくると、「大根いらんか」と声がかかる。重いので、届けてはくれない。そこで、声をかけてくれたおじいさんやおばあさんの畑まで軽トラを飛ばし、抜いては稲わらで軽く泥を拭（ふ）き取り、空の肥料袋のなかに突っ込み、軽トラの荷台に放り込むのだ。</p>
<p class="bodytxt">　この潤沢（じゅんたく）な大根を利用して、月収3000円の最貧時代に私たち家族がよく食べていた大根料理が、「大根のともあえ」だ。「ともあえ」というと、アンコウやカワハギの身をその肝であえたような、なにやら高級な日本料理が思い浮かぶが、これはさいの目に切って揚げた大根に大根おろしをかけたもの。私のオリジナルではなく、阿部なをさんという料理研究家のレシピにあったものだ。</p>
<div class="leftframe">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/02_daikon.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真2"><img alt="写真2" src="http://special.gotoshoin.com/images/02_daikon-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/03_08_tomoae1.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真3"><img alt="写真3" src="http://special.gotoshoin.com/assets_c/2009/11/03_08_tomoae1-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/04_13_daikonbuta3.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真4"><img alt="写真4" src="http://special.gotoshoin.com/assets_c/2009/11/04_13_daikonbuta3-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/05_16_agedaikon3.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真5"><img alt="写真5" src="http://special.gotoshoin.com/images/05_16_agedaikon3-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span>
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/06_19_daikonsaba3.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真6"><img alt="写真6" src="http://special.gotoshoin.com/images/06_19_daikonsaba3-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span>
</div>
<p class="bodytxt">　阿部さんは、辰巳芳子（たつみよしこ）さんと並び、昭和を代表する料理研究家で、オリジナリティあふれる秀逸（しゅういつ）なレシピをたくさん作った人である。</p>
<p class="bodytxt">　あるとき、このレシピのことをご近所の方に話したら、大変同情された。<br />
　「土屋さん家は貧乏で、大根に大根おろしをかけて食べているらしい......」<br />
　加えて、それを「ともあえ」なんて名前で呼んでいるのが、余計にせつなさを誘ったようで、ありがたいことに、その方は、その後たびたび夕食に招待してくれるようになったのである。</p>
<p class="bodytxt">　しかし、そこで出てくるのも、季節柄、大根である。ただし、わが家と違って肉も一緒だ。なかでも、梅肉と豚肉をあえたものが薄切りの大根の間にはさまった大根ギョーザが大変においしかった。電子レンジでチンするだけの料理なのだが、電子レンジ料理は全部まずい、という偏狭な考えを持っている私でも、おいしいと言わざるをえない味で、私のなかでは、もっともおいしい電子レンジ料理は、いまだのこのとき食べた大根ギョーザである。</p>
<p class="bodytxt">　さて、今回は、当時を思い起こす大根料理をアレンジしてご紹介する。<br />
　「ともあえ」は、大根おろしをかけただけじゃなんだか寒々しいので、とろみをつけただし汁を加えた。<br />
　「大根ギョーザ」は、薄切りの大根に梅肉と豚肉を塗ってくるくると巻き、揚げた。<br />
　そして、余った油で作った「揚げ大根」。これはふろふき大根にそっくりの食感だが、なかは、はるかにアツアツで、温かさが持続し、味にコクがある。佐渡では、室温が3度ぐらいのことも多く、アツアツのふろふき大根が一瞬で冷たくなったものだが、これならある程度、温かさが持続するだろう。</p>
<p class="bodytxt">　余った大根の皮は、もったいないので、前回ご紹介した塩さばと炒め、柚子（ゆず）の皮を加えた。まさに「貧乏料理」の風情。この料理のことを話したら、まただれかが夕食に招待してくれそうだ。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-34.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Mon, 02 Nov 2009 17:07:06 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>秋さばと柚子（ゆず）が織りなす「秋味のコンチェルト」</title>
            <description><![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya09_recipe.pdf" class="button" target="_blank" style="margin: 0px auto 20px;">レシピ印刷</a></span>
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="写真" src="http://special.gotoshoin.com/images/01_12_jagasaba4-thumb-560x372.jpg" class="mt-image-none" style="" width="560" height="372" /></span><br />
<br />

<p class="bodytxt">　もう15年も前のことだが、ある雑誌にのっていたひとつのレシピに衝撃を受けたことがある。<br />
<br />
　その雑誌では、有名シェフたちが自分のレシピを紹介しており、ページを繰るごとに、華やかで美しい、おいしそうな料理写真が目に飛び込んでくる。フレンチのページに入ると、「色とりどりの野菜にセルクルで円形に整形されたクスクス」といった、いっそう洗練された料理があらわれた、と思いきや、さらにページをめくると、定食屋でもこれはないだろう、というような、荒っぽい料理に目が釘付けになったのだ。<br />
<br />
　さばの切り身の上に、揚げたじゃがいもがドバーッとのっている。それだけ。いったいこれのどこがフレンチなのか、と料理のタイトルを探すと、そこには「じゃがいもとさば」とだけ書いてある。そのまんまである。あまりに無骨すぎる。先ほど「ドバーッとのっている」と書いたが、たしかレシピの手順にも、「じゃがいもをドバッとかける」などと書いてあったはずだ。<br />
<br />
　作ったのは、大阪の有名フランス料理店シェ・ワダの和田信平シェフ。<br />　料理に詳しくなかった当時は彼の名を知らなかったが、前後のページの洗練されたフレンチレシピから見事に浮き上がった、この強烈に個性的で、反骨心さえ感じさせるレシピに私は魅了されたのだった。<br />
</p><div class="leftframe">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/02_07_siosaba2.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真"><img alt="写真" src="http://special.gotoshoin.com/images/02_07_siosaba2-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/03_09_carpaccio3.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真"><img alt="写真" src="http://special.gotoshoin.com/images/03_09_carpaccio3-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/04_15_jagasaba3.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真"><img alt="写真" src="http://special.gotoshoin.com/images/04_15_jagasaba3-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/05_16_senbajiru5.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真"><img alt="写真" src="http://special.gotoshoin.com/images/05_16_senbajiru5-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/images/06_22_sabazusi1.jpg" rel="shadowbox[img]" title="写真"><img alt="写真" src="http://special.gotoshoin.com/images/06_22_sabazusi1-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span>
</div>
<p class="bodytxt">　作ってみると、じゃがいもは澄（す）ましバターで揚げるグラス・ド・ヴィアン（フォン・ド・ヴォーを煮詰めたようなもの）を使うなど、案外細やかな作業が必要だった。そして、できあがりは、それらの手順を踏むことの意味がよくわかる、二つの食材の長所が完璧（かんぺき）に一体となった絶妙な味わいで、感動したのだった。<br />
　そんなわけで、さばという食材には特別な思い入れがある。この「じゃがさば」以外でも、今でも印象に残っている料理には、さばを使ったものが多い。<br />
<br />
　会社に入ったころ、吉祥寺（きちじょうじ）の居酒屋で食べた、塩さばと大根で作る船場汁（せんばじる）。<br />
　京都に住んでいたころに、染織家の妻の先輩宅で食べさせてもらった焼きさば寿司。これは一日たって固くなったさば寿司を七輪（しちりん）の隅で炙（あぶ）ったものだ。<br />
　とびきり新鮮でまるまると太った佐渡のさばで作った、柑橘（かんきつ）を効かせたしめさば。<br />
　どれも忘れられない大好きな味である。<br />
<br />
　そんなわけで、今回のテーマはさば。旬を迎えたいわゆる「秋さば」だ。<br />
　ただ普通にさばを扱うだけでは面白くないので、まずは「塩さば」を作る。<br />
　最近は、豚バラ肉を使って自家製の塩豚を作る人も増えているが、その感覚でまず「塩さば」を作り、それを使うのだ。<br />
　そして、やはり旬を迎えて出回り始めた柚子（ゆず）を使って、大好きなさば料理をリメークしてみた。<br />
<br />
「しめさば」は、塩さばを薄切りにしたさばのカルパッチョに変身させた。<br />
「じゃがさば」は「じゃが塩さば 柚子風味」に。澄ましバターやらグラス・ド・ヴィアンやら、本格的な材料はなかなか手を出しにくいので、家庭でもできるように工夫した。<br />
「船場汁」も柚子の香りたっぷりに。<br />
「さば寿司」は、ハチミツを使って洋風に仕立てる。<br />
<br />
　まさに、秋にふさわしい味わいである。秋さばと柚子の競演を楽しんでいただきたい。</p>
]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-30.html</link>
            <guid>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-30.html</guid>
            
                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Fri, 23 Oct 2009 14:13:17 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>サンマとキノコとイチジクの「余韻」レシピ</title>
            <description><![CDATA[<span style="display: inline;" class="mt-enclosure mt-enclosure-file"><a style="margin: 0px auto 20px;" class="button" href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya08_recipe.pdf">レシピ印刷</a></span>
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="01_10_katsu4.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/01_10_katsu4.jpg" class="mt-image-none" style="" width="560" height="373" /></span>
<br /><br /><p class="bodytxt">　一つの食材について集中的に考えたあとは、実は切り替えが難しい。仕事柄、さまざまな媒体に料理レシピを書いているが、ある特定の食材が頭から離れず、困ることがあるのだ。</p>

<p class="bodytxt">　今、どうしても頭から離れない食材は、サンマ、イチジク、そしてキノコである。そう、この連載でひとつの食材を集中的に扱うことを始めて以来、別の仕事で何か新しいレシピを開発しようと思っても、これらの食材ばかりが思い浮かんでしまうのだ。</p>

<p class="bodytxt">　先日もトンカツのレシピを頼まれたのだが、すぐに「トンカツにイチジクを入れたらうまいだろうか」などと考えてしまう。</p>

<p class="bodytxt">　他の食材に目がいかなくなってしまうのは困りものではあるのだが、実際にイチジクとんかつを作ってみるとおいしかったりするので、まあ、悪くはない。</p>

<div class="leftframe">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/02_06_buta4.jpg"><img alt="02_06_buta4.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/02_06_buta4-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/03_13_katsu3.jpg"><img alt="03_13_katsu3.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/03_13_katsu3-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/04_17_sanma4.jpg"><img alt="04_17_sanma4.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/04_17_sanma4-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/05_14kinoko3.jpg"><img alt="05_14kinoko3.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/05_14kinoko3-thumb-200x133.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="133" /></a></span>
</div>
<p class="bodytxt">　この連載の原稿とレシピを書き終わると、頭の中はその食材に執着しつつも、「一仕事終わった......」とほっとする。そして、穏やかな気持ちで、書き終わった後の余韻を楽しむ。その状態で他の仕事に取りかかると、サンマやイチジクやキノコと別の食材を取り合わせた、いいレシピが生まれることが多いようだ。「イチジクレシピ、イチジクレシピ......」と念じながら、どんなレシピを作ろうか頭を捻っているときには思い浮かばなかったようなレシピがどんどんと出てくるのである。</p>

<p class="bodytxt">　これらをお蔵入りにさせてはもったいないので、そんな「余韻レシピ」を今回はご紹介する。</p>

<p class="bodytxt">　まずはイチジクと豚肉とポルチーニの煮込み。連載時にも豚肉とイチジクの組み合わせはあったが、そこにキノコが加わっている点が違う。キノコレシピの連載を書くときの研究の成果が加わっている。</p>

<p class="bodytxt">　イチジクトンカツは別のサイトに載せる予定なのでここでは紹介しないが、薄切り肉を使ってより簡単に作れる、イチジク入り一口カツをご紹介しよう。</p>

<p class="bodytxt">　そしてサンマのレシピは、サンマの山椒煮を洋風にしたイメージで。やはりここにもキノコが加わる。</p>

<p class="bodytxt">　最後のキノコレシピは、前回紹介した「キノコのオイル焼き」を進化させたもの。一度シンプルなレシピを作っておくと、このようにバリエーションを広げてゆくことができるのである。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-27.html</link>
            <guid>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-27.html</guid>
            
                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Fri, 16 Oct 2009 00:00:01 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>強い旨みと匂いを活かす「足し算」のキノコ料理</title>
            <description><![CDATA[<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-file"><a style="MARGIN: 0px auto 20px" class="button" href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya07_recipe.pdf">レシピ印刷</a></span>
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><img class="mt-image-none" alt="01_07oliveoil3.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/01_07oliveoil3.jpg" width="560" height="420" /></span><br /><br />
<p class="bodytxt">　キノコの旬が秋というのは、もうほとんどイメージの中だけの話で、実際には、菌床栽培のマイタケやシイタケ、ブナシメジなどが一年中栽培され、いつでも手に入る。秋にしか手に入らないとなると、今ではマツタケぐらいなものだ。<br />　ただ、運が良ければこの時期には、原木栽培のシイタケやクリタケ、ナメコなどが出回ることもあり、味は菌床栽培のものより格段に良い。</p>
<p class="bodytxt">　しかし、それでも天然のものにはとてもかなわない。都会では無理でも少し田舎に行けば、天然のキノコを手に入れるのはそう難しいことではない。<br />　天然シイタケは春に生えるので秋に手に入れる術はないが、ナラタケやクリタケは案外簡単に見つかる。採った木の株を覚えておけば、来年も同じ株から生えるから、時期さえ逃さなければ確実に獲れる。<br />　マイタケも、見つけるのは難しいものの、ほぼ毎年木から出る。</p>
<p class="bodytxt">　これらの天然キノコを食べ慣れてしまうと、スーパーで売っているキノコを食べたときに最初に感じるのは、「臭い」ということだ。「菌の匂い」が強すぎるのだ。それでいて旨（うま）みは少ない。そして弾力が強い。<br />　それに対して天然のものは、一瞬あっさりしているようで、凝縮した旨みがある。そして、歯切れがよく、噛んでいて気持ちよい。ちょうど豚肉とイノシシ肉の違いによく似ている（イノシシ肉が臭いと思っている人も多いが、締め方や解体方法が適切なら臭みは豚よりはるかに少なく、旨みが強く、特に脂身の歯切れがよい）。</p>
<p class="bodytxt">　しかしながら、都会で天然キノコを手に入れるのは難しい。そこで、上記のことをふまえた上で、普通に出回っている菌床栽培のキノコをうまく使って料理を作ってみたい。</p>
<div class="leftframe">
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a href="http://special.gotoshoin.com/02kinoko1.jpg"><img class="mt-image-none" alt="02kinoko1.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/02kinoko1-thumb-200x133.jpg" width="200" height="133" /></a></span><br />
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a href="http://special.gotoshoin.com/03_09oliveoil2.jpg"><img class="mt-image-none" alt="03_09oliveoil2.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/03_09oliveoil2-thumb-200x150.jpg" width="200" height="150" /></a></span><br />
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a href="http://special.gotoshoin.com/04_11itame1.jpg"><img class="mt-image-none" alt="04_11itame1.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/04_11itame1-thumb-200x150.jpg" width="200" height="150" /></a></span><br />
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a href="http://special.gotoshoin.com/06_19curry5.jpg"><img class="mt-image-none" alt="06_19curry5.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/06_19curry5-thumb-200x150.jpg" width="200" height="150" /></a></span></div>
<p class="bodytxt">　まずはシンプルに焼く。それだけで旨みがぐっと増す。ただ焼くだけだと乾燥してしまうので、オイルで膜を作り、またワインでさらに旨みを添加する。<br />　使うのは、エリンギやシイタケ、マッシュルームなど、肉厚のキノコがいい。もちろん、予算さえ許せばマツタケを使えばすこぶる美味だ。マイタケやヒラタケなど先端が細かく分かれているキノコは乾燥しがちで歯ごたえも悪い。</p>
<p class="bodytxt">　もう一つの方法は、たくさんの種類のキノコを混ぜ、それぞれの強い匂いを渾然一体（こんぜんいったい）とさせてしまい、さらにそこに天然キノコの旨みを加えてしまうというもの。もっとも手に入りやすい天然キノコであるドライポルチーニ、さらに菌床よりはだいぶましな原木栽培シイタケを使った干しシイタケで旨みを与えるのだ。</p>
<p class="bodytxt">　キノコは水分が多く、炒めるとどんどん水っぽくなる。そこであわてて火を止めてももう後の祭りなので、腹を据えて水分が蒸発しきるまで炒め続けるのが正解。水分が飛び、旨みの強い、気持ちのよい歯ごたえのキノコ炒めができる。<br />　レタスなどで包んで食べてたり、メイン料理の付け合わせにしたり、いろいろと使えるので，たくさん作ってストックしておくのもよい。</p>
<p class="bodytxt">　この多様なキノコの渾然一体感ともいうべきものがよく合う料理は、なんといってもカレー。カレーもまた、個性の強いものをどんどん足して、一体感を出した料理だ。<br />　そこで、「渾然一体キノコ」をキーマカレー風に仕立ててみると、想像通りのおいしさだった。私は基本的にシンプルな「引き算の料理」が好きだが、キノコとカレーは「足し算」が合う。</p>
<p class="bodytxt">　ちなみに今回料理を作っていて印象的だったのは、エノキダケが、意外にも最も強い香りを放っていたこと。5、6種類のキノコを混ぜ、スパイスを加えても、エノキダケの、日本酒の酵母にも似た香りが感じられるのである。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-22.html</link>
            <guid>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-22.html</guid>
            
                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Fri, 09 Oct 2009 00:00:01 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>旬の今しか作れない、甘く香ばしいイチジク料理</title>
            <description><![CDATA[<span style="display: inline;" class="mt-enclosure mt-enclosure-file"><a style="margin: 0px auto 20px;" class="button" href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya06_recipe.pdf">レシピ印刷</a></span>
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="01_14buta3.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/01_14buta3.jpg" class="mt-image-none" style="" width="560" height="420" /></span>
<br /><br />
<p class="bodytxt">　イチジクの旬は短い。<br />
　店頭に並び始めたな、と思うと、いつのまにか姿を消してしまう。<br />
　柔らかく、傷みやすく、保存が利かない。</p>

<p class="bodytxt">　佐渡ではフランス原産の黒イチジクが栽培されているが、夏でもビニールハウスの中で育てられている。糖度が非常に高く、虫の被害がすごいからだと聞いた。また非常に柔らかく、ちょっとした衝撃で崩れて売りものにならなくなる。</p>

<p class="bodytxt">　ハネものの、崩れたり傷ついたりした黒イチジクを袋一杯もらったことがあったが、それはそれは美味なるものだった。そのまま食べても、タルトにしても、料理に使っても、素晴らしくおいしかった。</p>

<p class="bodytxt">　その柔らかさゆえ、島外に出すのは難しいらしいが、見た目ばかりを気にする日本の流通制度のせいで、本土に住む人たちの手に入らないのはもったいない、というほかない。</p>

<p class="bodytxt">　通常のイチジクもフランス原産の黒イチジクほどではないにしろ、やはり商品として流通させることは難しい。しかし、強靭（きょうじん）で栽培は難しくないので、田舎では庭にイチジクを植えている人は多い。放っておいても実がつくので、秋にはあちこちの庭でイチジクがたわわに実ることになる。イチジクは保存が利かないため、毎年、日本の田舎では、一気にイチジクがダブつく現象が起こるのである。</p>

<p class="bodytxt">　大抵の場合、せいぜいジャムにされるぐらいで、残りは鳥に食べられ、地面に落ち、放置されることになるのだが、イチジクが大好きな私としては、やっぱりそれはもったいなさすぎる。今回ご紹介するのはそんなときに最適のレシピ。</p>
<div class="leftframe">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/02_09ichijiku3.jpg"><img alt="02_09ichijiku3.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/assets_c/2009/10/02_09ichijiku3-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/03_11sanma1.jpg"><img alt="03_11sanma1.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/assets_c/2009/10/03_11sanma1-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/04_15_buta1.jpg"><img alt="04_15_buta1.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/assets_c/2009/10/04_15_buta1-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://special.gotoshoin.com/05_22kuri5.jpg"><img alt="05_22kuri5.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/assets_c/2009/10/05_22kuri5-thumb-200x150.jpg" class="mt-image-none" style="" width="200" height="150" /></a></span>
</div>
<p class="bodytxt">　都会では役に立たないレシピと思うかも知れないが、そうでもない。傷みやすい果実だけあって、スーパーの見切り品売り場に崩れたようなイチジクが激安で並ぶことは多々あるのだ。</p>
　　
<p class="bodytxt">　まずは、イチジク入り胡麻豆腐（ごまどうふ）。胡麻とイチジクは相性が非常によいので、和食の定番に、炊いたイチジクに胡麻だれをかける、などというものがあるが、混ぜ込んで豆腐にしてしまうといっそう美味で、また驚きがあっていい。どうせつぶしてしまうので、少々形が崩れていても大丈夫なのだ。</p>
　　
<p class="bodytxt">　イチジクを漬け床（つけどこ）にしてしまう、という手もある。今回は同じく旬のサンマを漬けてソテーした。もともとサンマは甘みとよく合う魚。バターで焼くと、カラメルのような香りが立って食欲をそそる。ここでは塩味としたが、案外醤油（しようゆ）味でもよい。まさにこの時期しか作れない料理だ。</p>
　　　
<p class="bodytxt">　豚肉との相性のよさは知られているが、豚バラ薄切りとイチジクを重ねて、グラタン風に仕上げると、ものすごく簡単なのに見映えもよく、とても美味。これは赤ワインがぴったりだ。</p>
　　
<p class="bodytxt">　魚と合わせるにしろ、肉と合わせるにしろ、焼いたときの甘く香ばしい匂いがなによりイチジクの身上（しんじょう）。鼻でもそのおいしさを堪能（たんのう）したい。
　　　
</p><p class="bodytxt">　最後は、同じく旬を迎えた栗と合わせてみた。イチジクは水分が出やすい果実なので、中心の赤い部分（実は小さな花が寄せ集まった部分）だけを耐熱容器に入れ、その上に栗入りのクレーム・ブリュレを入れて焼き上げるのである。作り方は簡単だが、一年のうちで、今しか食べられない貴重なデザートである。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-20.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Tue, 06 Oct 2009 00:00:01 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>季節の移り変わりを舌で楽しむ、さんまの秋レシピ</title>
            <description><![CDATA[<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-file"><a style="MARGIN: 0px auto 20px" class="button" href="http://special.gotoshoin.com/pdf/tsuchiya05_recipe.pdf">レシピ印刷</a></span>
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><img class="mt-image-none" alt="01_sanmasand5.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/01_sanmasand5.jpg" width="560" height="372" /></span><br /><br />
<p class="bodytxt">　さんまは夏と秋とを紡ぐ食材である。<br />　8月には新物が登場し、トマトをはじめとする夏野菜と抜群の相性を発揮する。<br />　8月後半以降、秋なすが大量に採れはじめ、安く出回るころには、さんまももっとも安くなる。前回は「さんまと焼きなすのマリネ」を紹介したが、なすとさんまの相性もよい。<br />　そしていよいよ本格的な秋になると、キノコや銀杏（ぎんなん）、そして柚子（ゆず）やすだちがさんまを待ち構えている。</p>
<div class="leftframe">
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a href="http://special.gotoshoin.com/02_sanma.jpg"><img class="mt-image-none" alt="02_sanma.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/02_sanma-thumb-200x150.jpg" width="200" height="150" /></a></span><br />
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a href="http://special.gotoshoin.com/03_06_sanmasando4.jpg"><img class="mt-image-none" alt="03_06_sanmasando4.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/03_06_sanmasando4-thumb-200x150.jpg" width="200" height="150" /></a></span><br />
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a href="http://special.gotoshoin.com/04_sanmaonion7.jpg"><img class="mt-image-none" alt="04_sanmaonion7.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/04_sanmaonion7-thumb-200x150.jpg" width="200" height="150" /></a></span><br />
<span style="DISPLAY: inline" class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a href="http://special.gotoshoin.com/05_17_sanmajaga8.jpg"><img class="mt-image-none" alt="05_17_sanmajaga8.jpg" src="http://special.gotoshoin.com/05_17_sanmajaga8-thumb-200x150.jpg" width="200" height="150" /></a></span></div>
<p class="bodytxt">　まずは、「さんまサンド」を作ろう。</p>
<p class="bodytxt">　三枚におろしてさっとソテーしたさんまにレモンを絞り、軽く焼いたたまねぎと生のトマト、そしてグリーンの野菜とともに、バゲットに挟む。それだけなのにとびきりうまい。</p>
<p class="bodytxt">　使うパンは断然バゲットがいい。それも口のなかをけがしそうなくらい、パリパリの皮のやつ。かぶりつけば、そのパリパリのむこうに、驚くほど一体感のある味の固まりが現れ、かむほどにおいしさが広がる感じだ。<br />　この感じは、食パンでもカンパーニュでも決して味わえない。よく見れば、バゲットは形からして、さんまをのせてください、と言わんばかりに長細いではないか。</p>
<p class="bodytxt">　BBQで作るのもよい。<br />　焼くときに広葉樹の枝を混ぜてやれば、燻製（くんせい）のような香りがつき、なお美味だ。夏らしい味わいで、ちょっと季節をすぎてしまった感があるが、空が青く高い、秋晴れの日のピクニックにもぴったりの一品だろう。</p>
<p class="bodytxt">　秋らしく茶色でまとめた料理としては、「さんま入りの和風オニオンスープ」なんていうのはどうだろう。<br />　たまねぎを茶色くなるまで炒め、キノコで旨味（うまみ）を出し、そこにさんまをのせてオーブントースターで焼く。すだちを絞り、最後に山椒（さんしょう）を振り入れて完成。山椒は必須。入れないと何か物足りなく、味が決まらない。</p>
<p class="bodytxt">　トマトの赤やグリーンと合わせると、さんまは涼やかな青色に見え、一方キノコなど秋らしい茶系の色をした食材と合わせると、黒っぽいもっと落ち着いた色に見える。バゲットの上では青々として若々しかったさんまが、オニオンスープでは、すっかり落ち着いた大人に見えてくるから不思議だ。</p>
<p class="bodytxt">　最後にご紹介する「さんまと長ねぎのじゃがいも包み」は、先日、雑誌の取材で、「包丁を使わないで作る料理」を考案中に、偶然に生まれたレシピだ。少し包丁を使うので誌面にはのせられなかったが、そのとき考えたレシピの中で、料理としての完成度は一番高かった。季節感はないが、なにしろおいしい。<br />　ピーラーで薄切りにしたじゃがいもで、ネギとサンマを包んで弱火でじっくり焼く。じゃがいもがきつね色にパリッと焼けば、中には、とろとろの甘いねぎとふっくらと蒸し焼きになったさんま。まずいわけがない。</p>
<p class="bodytxt">　なお、今回のレシピはすべて三枚おろしを使ったが、これはスーパーなどでおろしてもらえばよい。1尾数十円という激安の時期に頼むのは申し訳ない気もするが、実際にお願してみれば、あっという間におろして、腹骨も取ってくれるだろう。</p>
<p class="bodytxt">　そうそう、新さんまの時期、前年に獲れて冷凍しておいたさんまが一緒に並ぶことがある。できればそちらは避け、やはり夏から秋への季節の移り変わりを、舌で堪能してほしい。</p>]]></description>
            <link>http://special.gotoshoin.com/tsuchiya/post-14.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">土屋敦の男子の料理</category>
            
            
            <pubDate>Fri, 25 Sep 2009 00:00:01 +0900</pubDate>
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